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デザイン審査基準の改訂(2015年10月1日施行)
弁理士 李京禧

 
デザインに関する開発実情が反映されて出願時に提出する図面の要件が簡素化され、より多様な形態のデザイン保護が可能となるようにその判断基準が緩和された。デザイナーまたは出願人の立場に一層近づいた2015年10月施行のデザイン審査基準の内容は以下のとおりである。

1.図面提出要件の緩和

イ.特別な場合(図面が対称、または同一である場合など)に一部図面の提出を省略し、その趣旨を[デザインの説明]欄に記載すればよい。
ロ.「平面的」な物品の前面だけを提出し、[デザインの説明]欄に「後面部分は模様がない」と記載しない場合には「模様がないもの」とみなされる。
ハ.図面に平面、屈曲、凹凸などの陰影線の表現が可能であるが、模様と混同される場合には[デザインの説明]欄に記載しなければならない。
ニ.図面を写真で提出する場合でも、断面図または切断部断面図は線図で提出可能である。
ホ.使用状態図を除く「(切断部)断面図、(部分)拡大図、展開図、分解斜視図」は付加図面に区分して提出し、当該説明を[デザインの説明]欄に記載しなければならず、その区分により作成されていない図面は参考図面と判断する。

2.1組の物品出願の対象の拡大

イ.デザイン保護法施行規則の例示物品でなくても、2以上の物品が1組で同時に使用され、1組として統一性がある場合には1組の物品として認められる。
ロ.一般的な1組の物品名称がない場合、各構成物品の名称をすべて羅列して記載する。
ハ.2以上の物品類が共にある場合には、構成物品数が多い物品の物品類を記載し(その数が同一の場合には出願人が選択)、審査/一部審査対象物品が共にある場合には審査対象として出願する。

3.1デザイン1出願の認定要件の拡大

以下の場合には1デザイン1出願の要件を満たすものとみなす。

イ.物理的に分離しているが一つの物品として取引されることが当然な場合(ツーピース、重箱など)
ロ.物理的に分離された各部分が集まって一つの形状/模様をなす場合(左右(非)対称のパーゴラなど)
ハ.衣類およびファッション雑貨用品の形状/模様を完全に見せるために補助物品を利用することが明白な場合(マネキン足に履かせたオーバーシューズなど)
ニ.物品の形状/模様/色彩を示すために付加物品が結合して生産され、一体化した状態で使用される場合(容器が結合されたアイスクリームなど)
ホ.形態が変化するデザインであって、変化前後の状態または一連の変化過程を示す場合(蓋が開閉するおもちゃのノートパソコンなど)
ヘ.動的画像デザインであって、画像の動きに形態的関連性と変化の統一性が認められる場合

4.画像デザインの審査基準の補完

イ.物品により審査または一部審査に区分する。
ロ.部分デザインとして出願された画像デザインに対する容易創作性の判断は、実線部分を考慮し、必要な場合は破線部分の機能および用途などを総合的に考慮して判断する。
ハ.画像デザインの登録を受けようとする部分の位置/大きさが移動/拡大/縮小可能な場合には、類否の判断に影響を与えない。

5.「国旗」、「他人の肖像」などが含まれているデザインの判断基準の整備

イ.物品に国旗などが含まれていても国家の尊厳を害するおそれがあるか否かを総合的に判断して拒絶理由を通知する。
ロ.著名な他人(広く知られた芸能人、スポーツ選手または国内外有名人など)の肖像を含むデザインは、その他人の承諾を受けることができなかった場合には公序良俗に反するデザインと判断する。

6. 形態が変化する物品に関する用語の整備

イ.変化前後の状態が区分されるデザインおよび一連の変化過程を通じて形態が変わるデザインなどを「形態が変化するデザイン」と用語を整備する。
ロ.物品の表示部内において、アイコンだけでなく、模様などが形態的関連性と変化の一定性を有して具現される画像デザインを「動的画像デザイン」と呼ぶ。

7. その他の改訂事項

イ.優先権主張を伴う出願において図面を補正する場合、要旨変更は優先権証明書類を参酌して判断する。
ロ.拡大された先出願の要件の適用時、先出願と後出願における出願人の同一性は、登録可否決定時を基準に判断する。
ハ.デザインが法律や条約により国内または国外で出願公開または登録公告された場合、新規性喪失の例外を主張することができず、その公報には特許、実用新案、デザインまたは商標に関する公報をすべて含む。
ニ.物品名の記載において用途が限定された「OO用OO装置」のような記載が認められ、適用物品、使用主体、使用方法などにより物品の用途を明確に表現することが可能である。
ホ.出願人が実施または実施準備中であるとの理由により優先審査を申請する場合、証拠書類に添付された実物写真などと出願デザインの同一性が認められない時には補完を指示する。
ヘ.弁理士ではない者は、業とするか否かと関係なく代理業務を行うことができない。