世界知識財産先進5ヶ国(IP5)のサイトでは、IP5特許庁の特許出願と関連した引用文献に対する情報を提供するCCD(Common Citation Document)応用プログラム(http://ccd.fiveipoffices.org/CCD-2.1.6/)を運営している。CCD応用プログラムは同一の発明に対してIP5特許庁で引用したすべての引用文献のリストおよび情報を1頁で確認できるだけでなく、引用文献が特許文献である場合、別途の番号検索なしに同一頁で直ちに引用文献公報の確認が可能であるという長所がある。
さらに、最近、ファミリー出願件に対する主な海外特許庁の審査進行情報を一度に見ることができるシステムが整備された。ファミリー出願件とは、第1国の特許庁に最初出願された特許出願と、第1国と他国の特許庁で優先権期限内に出願された特許出願により発生したすべての特許文献を意味する。
従来、ファミリー出願件の審査進行情報を確認するためには、各国の個別特許庁にアクセスし、庁別に照会しなければならないという煩わしさがあったが、このようなシステムの構築で、IP5特許庁の審査進行情報を一度に照会および比較可能である。
IP5各庁別の審査進行情報照会サイト、サービス提供文書および期間範囲は次のとおりである。
このうち、韓国特許庁(KIPO)で提供する国際審査情報統合照会サービスであるOne Portal Dossier (OPD)と米国特許庁(USPTO)で提供するGlobal Dossierを具体的に検討してみる。
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OPD |
Global Dossier |
検索方法 |
-IP5の5ヶ国(欧州、日本、韓国、中国、米国)の出願番号または公開/登録番号を通じて当該事件の検索が可能 |
-IP5の5ヶ国(欧州、日本、韓国、中国、米国)の出願番号または公開/登録番号を通じて当該事件の検索が可能
-WIPOのPCT出願番号またはPCT公開番号を通じて検索が可能
-IP5でない国の出願番号または公開番号を通じて検索が可能 |
検索結果の表示 |
-IP5の5ヶ国の審査進行情報を検索結果ページで即時確認が可能
-各国別に異なる色で表示して区分が容易
-各国に複数の件がある場合、代表件1件のみが表示され、表示された件と他の出願番号または公開番号を選択して確認が可能
-韓国件は原文で確認が可能、日本および中国件は原文または英語訳文で確認が可能 |
-IP5の5ヶ国だけでなく、すべてのファミリー件のリストを検索結果ページで確認が可能
-IP5の5ヶ国のOffice Actionの個数がリストに表示され、各件の登録有無の確認が容易
-各件を選択すると、Office Actionが区分されて表示され、実質的な審査情報文献の確認が容易
-日本、韓国および中国件は英語訳文で確認が可能
-IP5の5ヶ国以外にカナダ(CA)のような一部国の審査進行情報も確認が可能、国際段階での文書も確認が可能 |
追加の機能 |
-簡便ビューメニューを通じて検索結果に表示されたIP5の5ヶ国の審査進行情報を各国別に詳細に確認が可能
-全体ファミリーメニューを通じてIP5の5ヶ国だけでなく、すべてのファミリー件のリストの確認が可能
-全体引用&分類メニューを通じてIP5の5ヶ国で引用された特許文献のリストの確認が可能
-単一国照会メニューを通じてIP5の5ヶ国の出願番号を入力することによって、各国の審査進行現況をより詳細に確認が可能 |
-各件を選択した後、All Documentsメニューを通じて検索結果に表示されたIP5の5ヶ国の審査進行情報を各国別に詳細に確認が可能
-Export entire Patent Family listメニューを通じてすべてのファミリー件のリストをエクセルファイルで確認および保存が可能 |
最近、ファミリー出願件の審査現況および審査情報を参照する審査傾向に照らし合わせてみると、主な海外特許庁の審査進行情報を適切に活用することが特許登録の可能性を高めることができるといえる。これによって、かかるIP5(欧州、日本、韓国、中国、米国)特許庁の出願書、意見提出通知書、登録決定書などすべての審査進行文書を一度に見ることができるシステムの積極的活用を考慮してみることができる。
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