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商標は、自己の商品と他人の商品を識別するために使用する標章であり、商標法は『立体的形状』も商品の出処を示すことができれば商標として機能すると規定している(商標法第2条第1項第1号および第2号参照)。
商標として登録を受けるための『立体的形状』も文字や図形のような他の標章と同様に識別力を備えなければならず(商標法第33条第1項各号)、先行商標と類似せず(商標法第34条第1項第7号、商標法第35条第1項)、また商標として出願した『立体的形状』は、指定商品の機能を確保するのに必ず必要な形状1)ではないものであってこそ(商標法第34条第1項第15号参照)登録が可能である。
ただし、標章として『立体的形状』は、殆ど商品の形状そのもの(例:人形)であるか、商品の包装や容器(例:化粧品容器)を表現したものが多いため、その『立体的形状』が特異性を備えていなければ識別力が認められないか、機能的形状であるという理由で拒絶される可能性が高いほうである。
一方、拒絶事由に該当せず商標として登録された『立体的形状』(以下、『立体商標』という)は他の商標と同様に第三者が登録された『立体商標』と同一または類似の商標を使用する場合、商標権侵害の責任を問うことができ、その前提として第三者の使用商標が自身の登録された『立体商標』の権利範囲に属するか否かを審判を通じて確認することができる。
最近、大法院は、京畿道加平などで一回は乗ってみたであろうゴム形態のチューブ(以下、判決と同一に『牽引チューブ』という)の形状を立体商標として登録を受けた商標権者(上告人、被告)が、登録を受けた立体商標とほぼ同様な牽引チューブを利用して水上レジャー事業を営む企業(被上告人、原告)に請求した権利範囲確認審判と関連して、原審である特許法院の判決2)を破棄し、被告勝訴の趣旨の判決を下し、当該判決を考察する。
1. 本事件登録商標と確認対象標章
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本事件登録商標(立体商標)
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区分 |
確認対象標章
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<斜視図>

<平面図>

<正面図>

<右側面図>

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標章3) |

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第28類
牽引可能なレジャースポーツ用空気注入式水上器具(チューブ)、サーフボード、サーフスキー、水上スキー、ウィンドサーフ用セールボード、レジャースポーツ用無動力ゴムボート
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関連商品 |
水上レジャー器具
(人が乗船チューブに乗った状態でモーターボートに牽引されて水遊びを楽しむ水上レジャー器具であって、速度が高くなれば空中に浮上することを特徴とする。)
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2. 事件の争点および法院の判断
今回の大法院判決の争点は『確認対象標章が商標として使用されたか否か』であり、本争点に対して大法院と原審特許法院は以下のとおり判断した。
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特許法院
(確認対象標章はデザインとして使用されたものである)
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大法院
(確認対象標章は商標として使用されたものである)
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被告は、2003年頃から本事件登録商標のような立体的形状を帯びている牽引チューブを発売、販売してきており、2019年頃まで当該牽引チューブに対する登録デザインに対する独占的、排他的権利があり、被告の商品販売前後、上記登録デザインの出願および登録まで本事件登録商標や上記登録デザインのような立体的形状の牽引チューブの存在を認める資料はない。
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したがって、本事件登録商標は、独特の形態的特徴を有しており、被告商品が販売された期間と新聞や雑誌などに紹介・広告された程度、取引実情などを総合してみると、本事件登録商標は被告商品の出処表示としてよく知られているとみることができる。
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したがって、原告商品の形状は、デザインになり得る形状であり、かつ実際取引界で他の商品と区別する識別標識としても使用される標章であるため、完全にデザイン的にのみ使用されたということができないところ、結局、確認対象標章は商標として使用されたとみるべきである。
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3. 示唆点
(1) 対象判決の示唆点
デザインと商標は、排他的・選択的な関係にあるわけではないため、デザインになり得る形状や模様であるとしても、それが単にデザイン的にのみ使用されたものではなく、自己の商品と他人の商品との識別、すなわち、自他商品の出処表示のために使用された標章ともみることができる場合、このような使用は商標として使用されたとみるということが大法院の一貫した立場であり、大法院は如何なる標章が商標として使用されたか否かを判断するとき、下表の判断要素を総合して実際取引界でその表示された標章が商品の識別標識として使用されているか否かを基準として判断している。
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商標的使用の判断要素
(大法院2019フ10418判決(2021.12.16.言渡)など参照)
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①標章と商品の関係
②商品などに表示された位置や大きさなど当該標章の使用方式
③登録商標の周知著名性
④使用者の意図と使用経緯
⑤取引界の慣行など
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対象判決は
A. 原告の牽引チューブ形状の確認対象標章が水上レジャー器具の一般的なデザインであるとみることができない独特の形態の被告の登録商標とは特に異なっておらず、被告は、登録商標と同一の牽引チューブを2003年から販売、使用してきたことを根拠として、本事件登録商標が被告の出処表示として広く認識される周知性を備えているとみて、
B. 確認対象標章が完全にデザイン的にのみ使用されたとみることができず、商標としても使用されたと判断し、結論として、確認対象標章が本事件登録商標の権利範囲に属するという趣旨で判決した。
検討してみると、商標的使用の有無が争点となる事件では、主に標章と商品との関係や、標章の使用方式が問題となることが多いが、対象判決は、上記表の判断要素のうち③登録商標の周知著名性に重点を置いた判決であるいう点から注目するに値する。
(2) 権利保護強化の側面における示唆点
韓国では「バナナ牛乳」と言えば先ず浮ぶ独歩的なブランドがある。ビングレ社の壷形状の<バナナ味牛乳>がそれである。<コカコーラ>瓶やアイスバーの<スクリューバー>のねじり構造も製品自体や製品の包装容器自体が製品のブランドとして認識されている。最近は独特の化粧品容器や家具のデザインが消費者に注目されている。
上記で言及された製品のデザインを国内で保護を受けるためにデザイン登録だけを行うとすれば、どのようになるだろうか。国内に登録されたデザインは、登録後に出願日から最長20年まで保護を受けるので、保護期間の終了後には当該デザインは誰でも使用できるデザインとなる。
しかし、商標は、登録後に存続期間は10年であるが、更新申請により保護期間を追加で10年延長することができ、更新申請の回数には制限がない。
したがって、製品のデザインや製品の容器デザインが独特なものであれば、デザイン出願と製品のブランドに対する商標出願だけでなく、製品の形状を立体商標として登録を受けることが保護を受けることができる知的財産権の範囲を拡張させる簡単な方法であり、同時に安定的に事業を推進できる武器になるだろう。
1) 例えば、指定商品が「カップ」であり、 のような立体的形状を商標として出願する場合、当該形状は液体を入れるのに必須の凹形状を表現しているため登録されない。
2) 特許法院2023ホ10910判決( 2023.8.24.言渡)
3) 立体商標は三次元形状であるため、デザイン出願と同様に、商標出願時に全体的に一つの立体形状として認識され得るように、商標の特徴を十分に示す2~5枚以下の図面や写真を提出しなければならない。
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