米国特許庁(USPTO)は、優先審査制度に含まれる特許審査ハイウェイ(Patent Prosecution Highway:PPH)、早期審査(Accelerated Examination)、トラックワン優先審査(Track One Prioritized Examination)以外にファーストアクションインタビュー試験プログラム(First Action Interview (FAI) Pilot Program)を提供しており、FAI制度では最初の拒絶理由通知書の発行前に出願人と審査官がインタビューを行うことができる。FAI制度の申請要件および進行手続について説明する。
1.申請要件
- 最初の拒絶理由通知書の発行の少なくとも一日前に電子出願システム(EFS-Web)を通じてのみ申請が可能。
- すべての技術分野の正規出願がFAIの対象である。つまり、再発行出願(reissue application)や仮出願(provisional application)は対象とならない。
- 出願は請求項の合計が20項以下で、かつ独立項の合計が3項以下でなければならず、多重引用請求項は許容されない。
- 1つの発明で構成された出願でなければならず、審査官が2つ以上の発明であると判断した場合、限定要求が電話または文書上で通知され、出願人は必ず選択をしなければならない(つまり、限定要求の反駁ができない)。
2.手続
FAIの進行は次のとおりである。
前記フロー図の要約された進行手続のようにFAIにおいて、出願人は、審査官が最初の拒絶理由通知書を発行する前に審査官とのインタビューを行い、インタビューを通じて発明および請求項の核心要素に対する審査官の理解度を深めることができ、審査官はかかる発明および請求項の核心要素に対する深まった理解を通じて先行技術検索を請求項の核心の側面に対して集中することができる。同時に、出願人は審査官の性向などを把握することができるため、以降の審査進行に対する戦略樹立に役立つ。迅速な米国特許の登録のために審査官とのインタビューを適切に活用することは必須である。したがって、出願直後、審査官とのインタビューを通じて特許の迅速な登録の可能性を高めることができるFAI制度の積極的活用を考慮してみることができるであろう。
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