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2017年に変わる特許法
弁理士 閔進弘

 

2016年2月29日に公布された特許法(法律第14035号)および実用新案法(法律第14034号)により早期の権利確定、事後救済の機会拡大、そして不良特許予防が可能になる。特許庁は、現行制度の運営上現れた一部の不備点を改善・補完することを立法推進の背景として、2017年に新たに変わる知識財産制度を発表した。

主要内容は次のとおりである。

■ 特許出願の審査請求期間の短縮(5年→3年) [第59条第2項]

1) 従来は、審査請求期間が5年と長く、特許発明に対する権利確定が遅延する問題点がある。

2) 早期の権利確定のために特許出願の審査請求期間を特許出願日から3年以内に短縮する。

-2017年3月1日以降に出願した特許出願から適用

■ 特許取消申請制度の導入(新設) [第132条の2から第132条の15まで新設、第133条第1項各号以外の部分]

1) 現在、特許権の設定登録日から登録公告日後3ヶ月以内には何人も特許無効審判を請求することができるが、特許無効審判手続が複雑で活用度が少ない問題点がある。

2) 何人も特許取消事由を特許審判院に提供すれば、当該特許の取消可否を迅速に決定する特許取消申請制度を導入して特許検証を強化する。

-2017年3月1日以降に設定登録された特許権から適用

■ 正当な権利者の出願期間延長(審決が確定した日から30日以内) [第35条但書]

1) 無権利者の特許を無効とするという審決が確定した場合、その特許の登録公告があった日から2年以内または審決が確定した日から30日以内のうちの早い日までに正当な権利者が特許出願をしてこそ、正当な権利者の特許出願は無効となったその特許の出願時に特許出願したと見なしているが、この場合、特許無効審決が遅延して無権利者の特許が登録公告後2年が経過した後に無効審決が確定すれば、正当な権利者が保護されない問題点がある。

2) 無権利者の特許を無効とするという審決が確定した日から30日までのみ正当な権利者が出願をすれば、正当な権利者の特許出願時期が遡及されるようにすることによって、正当な権利者を保護できるようにする。

-2017年3月1日以降に設定登録された無権利者特許権から適用

■ 特許権移転請求制度の導入(新設) [第99条の2]

従来は、無権利者が特許出願して特許を受けた場合、正当な権利者は、無権利者の特許を無効とすべき旨の審決を受けた後、別途に特許出願して特許権を取得することができたが、今後は正当な権利者が無権利者の特許権移転を法院に請求し、法院の判決を受けて無権利者の名義で設定登録された特許権を移転登録する方法によっても特許権を取得できるようにすることにより、正当な権利者の便宜を図る。

-2017年3月1日以降に設定登録された無権利者特許権から適用

■ 職権再審査制度の導入(新設) [第66条の3]

審査官が特許決定した後に明白な拒絶理由を発見した場合、職権で特許決定を取消し、その特許出願を再び審査することができるようにし、瑕疵がある特許を事前に防止するようにするものの、権利保護の安定性のために特許権が設定登録される前までのみ特許決定を取消すことができるようにする。

-2017年3月1日以降に特許決定する特許出願から適用

■ 特許拒絶決定などに係る審判および再審請求に係る手続の追完期間の延長(14日→2ヶ月) [第17条]

特許に関する手続を踏んだ者がその責めに帰することができない事由により特許拒絶決定などに係る審判および再審請求期間を守ることができない場合には、その事由が消滅した日から14日以内に手続を追完することができたが、その期間が短く、国民の権利が制限されるおそれがあるため、国際的基準に合うように特許拒絶決定などに係る審判および再審請求に係る手続の追完可能期間を現行の14日から2ヶ月に延ばす。

- 2017年3月1日以降に手続追完可能な特許出願から適用

■ その他

明らかに誤って記載された記載不備に対して審査官職権補正の許容(第51条第1項第1号)
国内優先権主張出願の設定登録(出願公開)時、基礎出願に対する書類閲覧の許容(第216条)
無効審判の訂正請求取下期間の改善(第133条の2)
訴訟当事者の手続中止申請権の付与(第164条)
法人解散時の特許権消滅規定の整備(第124条)