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医療関連発明における2019年改正審査基準
弁理士 李貞姫

医療関連発明中の医療行為は原則的に特許を受けることができない。その理由は、第一に、医療行為が人間の尊厳および生存に深く関連しており、第二に、医師を通じて医療方法を選択および接近することができる権利が保護されるべきであり、第三に、医療行為が特許対象になれば、医師がこれを遂行時に特許侵害の有無に神経を使わなければならず、医療行為に対する自由な接近が難しいためである(特許法院20036104判決(2004.7.15言渡))

しかし、最近、多様な医療関連技術が開発されており、特に人工知能技術の発展に伴って、このような動きがさらに加速化して制度の改善が必要となった。したがって、今般韓国特許庁ではこのような傾向を勘案して医療関連発明に対する審査基準を改正した。改正審査基準によると、医療行為とは「医療人または医療人の指示を受けた者が医学的知識に基づいてヒトを手術、治療または診断する行為」と定義される。以前は医療行為を「ヒトを手術、治療または診断する方法」と定義していたが、これをより狭く解釈して事実上、医療関連発明の産業上の利用可能性の認定範囲の幅を広げた。これを下図に整理した(産業上の利用可能性の有無判断後、新規性および進歩性などの特許要件を審査)

上図に示したように、医療行為の定義により発明がi)ヒトが対象であるか否か、ii)医療機器であるか否か、iii)医療人による行為であるか否か、iv)請求項に実際に医療行為が含まれるか否かにより分けられ、場合によって、細部判断基準を設けて産業上の利用可能性を判断する。上図中の産業上の利用可能性があるか、または産業上の利用可能性がない項目に対する例示は下表のとおりである(上図中の赤円は産業上の利用可能性がない例、青円は産業上の利用可能性がある例であり、これら各番号を下表に赤色および青色で表示)

NO

具体的

1

・肉眼検査を通じて皮膚のただれた程度を確認する方法

・診察による疾病および健康診断方法

・内視鏡判読を通じて胃の損傷の程度を確認するための内視鏡検査方法

・アレルゲンを皮膚に直接接触させてアレルギー反応の有無を検査する方法

・患者試料から抗原-抗体反応により癌マーカ検出、およびこれを通じて大腸癌有無を判断する方法

X線の照射条件を設定する段階;造影剤注入前と注入後にX線撮影実施段階;および造影剤注入前と注入後のX線映像を分析して疾病有無を判断する段階を含むX線診断方法

2

・手術的方法による避妊方法

・白内障を除去する手術方法

・骨中に打ち込まれた補綴を除去する方法

・採血する方法

・手術のための麻酔方法

・美容のための手術方法

・整形のための手術方法

3

・投薬、注射または針術方法

・歯牙インプラント付着方法

・指圧方法

・血液透析方法

・遺伝子治療方法

・身体部位の消毒方法

・治療効果を高めるための補助的処置方法(リハビリ訓練方法)

・免疫刺激による風邪予防方法

・褥瘡防止方法

・心臓拍動調節方法において、検知された心拍数とメモリに保存された標準心拍数とを比較する段階;検知された心拍数と標準心拍数との差により心臓にパルスを提供する段階を含む心臓拍動調節方法(ただし、心臓拍動調節方法の各段階を医療機器が遂行時は例外)

A遺伝子に特異的なガイドRNAおよびCas蛋白質暗号化核酸を含む組成物の有機体導入によるA遺伝子除去方法

4

・手術的方法による動物試料獲得段階およびこの試料の抗体反応段階からなる蛋白質Aの検出方法

・患者試料から抗原-抗体反応を通じて癌マーカAを検出する段階、および癌マーカAが検出された患者の治療に適した薬物を人体に注入する段階を含む患者注文型患者治療方法

・特定物質を含む組成物を利用して歯牙のプラークを除去する方法

5

・大腸癌診断情報提供用として患者試料から抗原-抗体反応を通じて癌マーカ検出(医療機器使用関係なし)

・抗原-抗体複合体を検出する試料内白質の濃度測定方法

・人体由来試料含有ミトコンドリアDNA量を定量してその量を対照群と比較分析する方法

・採血した血液から血糖量を測定する方法

・腎臓疾患の診断のために尿からアルブミンを検出する方法

・医療機器において人工知能アルゴリズムを遂行して癌予測または癌予測情報を提供

X線診断装置を利用した癌診断のための情報を提供する方法において、前処理モジュールがX線映像からノイズを除去する段階;人工知能モジュールがノイズが除去されたX線映像の入力を受けて癌診断のための情報を抽出する段階を含む癌診断情報提供方法

・対象体の生物学的試料からA遺伝子のプロモーター部位のCpGアイランド(CpG island)のメチル化水準を測定する段階を含む癌診断必要情報提供方法

・コンピュータで行われる胃癌に対する個体の感受性を予測する方法であって、(a)個体に存在する一つ以上の胃癌対立遺伝子変異のデータをコンピュータに入力する段階;(b)胃癌対立遺伝子変異および前記変異と関連した胃癌に関する情報を含むコンピュータに保存されたデータベースと前記データを比較する段階;および(c)前記比較に基づいて前記個体が胃癌にかかりやすいのかを決定する指標を算出する段階を含む胃癌に対する個体の感受性を予測する方法

6

・物質Aと物質Bを含有する美容組成物を皮膚表面に適用する皮膚美白改善用美容方法

7

・自動血圧測定器の自動血圧測定方法において、収縮期血圧と拡張期血圧を非浸湿的に測定して電気信号に変換する段階;測定された電気信号を増幅した後、フィルタリングする段階;フィルタリング後、電気信号から血圧を演算して自動血圧測定器の表示窓に血圧を表示する段階を含む自動血圧測定方法

・心臓拍動調節器の制御方法において、制御部が検知された心拍数とメモリに保存された標準心拍数とを比較する段階;制御部が検知された心拍数と標準心拍数との差により心臓に提供されるパルス信号を生成する段階からなる心臓拍動調節器の制御方法

・超音波検査装置の超音波スキャニング方法において、対象体から受信された信号を処理してエラーのない超音波映像を提供するための超音波スキャニング方法

8

・人体分離細胞にA蛋白質コーディング用DNA導入段階を含むB機能向上細胞の製造方法

・分離された腫瘍細胞をC培地で培養する段階を含む癌細胞培養方法

・高分子支持体にヒトの細胞を培養する段階を含む人工皮膚製造方法

A遺伝子に特異的なガイドRNAおよびCas蛋白質を暗号化する核酸を含む組成物を分離された細胞に導入してA遺伝子を除去する方法

9

・家畜の手術方法

・ヒトを除く哺乳動物の治療方法

・ヒトを除く哺乳動物の診断方法

*記事出処:韓国特許庁の特実審査基準改正事項