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論難が起こり得る素材の特許出願に対して審査を遅延させるシステムが米国特許庁に密かに存在することが最近明らかになった。
SAWSは、過去、米国特許庁の審査官により秘話として言及されたり、2006年に米国政府のメモ(http://hho4free.com/documents/patent_screening_uspto%20memo.pdf参照）が流出しながら数人に知られたが、Kilpatrick Townsend & StocktonローファームがSAWSに対して情報公開要請(Freedom of Information Request、FOIR)により最近入手した文書によれば、SAWSに分類された特許出願の場合、3～9名の審査官(通常の審査は1～2名の審査官の審査を受ける)による承認を受けなければならず、そのため、数年間審査が遅延され得るという事実が明らかになった。
これに対応して、米国特許庁は、ホームページにSAWSに対する声明書を発表しており、声明書の主要内容は次のとおりである。
- SAWSに分類される特許出願は、他のすべての特許出願と同一の基準に基づき審査され、同一の特許性の判断基準が適用される。
- SAWSプログラムは、一部の特許出願に対して追加的な品質管理を行うことにより、潜在的に特別な関心を集める出願に対しては適切に登録または登録拒絶することができる。
- 米国特許庁は、SAWSプログラムが最大限の効率で実行されるように本プログラムを検討しており、SAWSに分類された特許出願の審査が不必要な遅延の対象にならないように努力している。
- 毎月SAWSに分類される特許出願は、平均的に毎月提出される特許出願全体の0.04%である。
このような内容の米国特許庁の立場表明から、SAWSが出願を遅延させるために設計されたものでないことを類推することができる。しかし、SAWSに分類される特許出願の基準が如何なるものか不明瞭であり、Kilpatrick Townsend & Stocktonローファームが入手した文書によれば、SAWSに分類される特許出願に対して米国特許庁はこれを公開したり出願人に通知する必要はないとのことである。米国特許庁が1,500頁を越える審査指針書(MPEP)を提供しながらも、SAWSに対する基準と手続を明確に開示していない点に対して、疑問を抱かざるを得ないという指摘があり、米国特許庁は毎月SAWSに分類される特許出願は平均的に毎月提出される特許出願全体の0.04%と発表しているが、数字で換算すれば毎月500件がSAWSに分類されており、少ない数字ではないといえる。米国特許庁のこのような不透明性は革新を相殺させ得るという指摘もある。特に、大部分のスタートアップが市場に参入する前に特許出願および登録を行うことは必須である。スタートアップには特許審査がSAWSに分類されて審査が数年間遅延される場合、非常に致命的である。これとは反対に、市場を大きく変動させることができる特許出願に対して、米国特許庁がより多くの時間を投資して追加的な品質管理を行うのは当然であるという指摘もある。しかし、SAWSプログラムのように特許出願の審査過程が不明瞭であるか、または結果や手続などが出願人に公知または公開されない場合、出願人は特許出願を登録させる対応策が剥奪されるのと同様である。米国特許庁は早期にSAWSの明確な基準と手続を公開しなければならないと思料される。
＊ 本短信のリファレンス
http://patentlyo.com/patent/2015/01/sensitive-application-warning.html
http://www.ipwatchdog.com/2014/12/14/secret-examination-procedures-at-the-uspto-my-experience-with-saws/id=52638/
http://www.ipwatchdog.com/2014/12/22/ex-insiders-perspective-of-saws/id=52821/
http://m.kiip.re.kr/board/trend/view.do?bd_gb=trend&bd_cd=1&bd_item=0&po_item_gb=¤tPage=4&po_no=14259
https://www.yahoo.com/tech/the-u-s-government-has-a-secret-system-for-104249688314.html
http://hho4free.com/documents/patent_screening_uspto%20memo.pdf
http://www.uspto.gov/patents/init_events/Sensitive-Application-Warning-System.jsp
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