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特許取消申請に対する取消決定以降の手続について
-申請人の注意事項-
弁理士 姜正仁

1. 取消申請に対する結果およびこれに対する対応方案

2017年3月1日以降に設定登録された特許および実用新案に対しては、何人も取消申請を行うことができる。この時、取消申請に対する結果は登録決定の維持または取消決定である。このような取消申請に対する審理結果への対応方案は以下のとおりである。

(1) 取消申請に対する棄却決定 (特許決定)

取消申請が棄却決定を受けることとなると、これに対して不服することはできない(ただし、取消申請書却下に対しては送達日から30日以内に特許法院に不服可能。ただし、合議体による却下決定に対しては不服不可。)。このような棄却決定は、決定謄本送達時に確定する。一事不再理の効力はなく、同一の証拠でもって無効審判請求が可能である。

(2) 取消申請に対する取消決定 (特許取消)

特許取消決定には必ず特許権者に意見提出の機会を付与しなければならない。したがって、取消決定時には特許権者に取消理由を通知して意見書提出および訂正請求の機会を付与する。この時、訂正請求およびその補正に対する審理は無効審判と同一である。ただし、注意する点は、訂正請求または意見書提出時、申請人に副本送達がないという点である。最終的に、訂正請求による訂正請求の範囲も特許性が否定される場合、送達日から30日以内に特許庁長を相手取って特許法院に不服が可能である。

2. 示唆点

取消申請人の場合、実際に取消決定が下されて特許権者に意見書提出の機会を付与し提出される意見書および訂正請求の進行有無に対して副本の送達が行われないため、これに気が付かない場合が発生し得る。ただし、これは副本の送達が行われないだけであり、特許庁サイトを介して事件進行の全ての資料を閲覧することができるので、結果として、特許権者の提出意見書および訂正請求書を確認することができる。また、もちろん、申請人は特許権者の意見書および訂正請求に対して、これを阻止する追加的な意見書を提出することができる。したがって、取消申請人は、申請後の一定期間に事件を閲覧して事件進行状況をモニターすることが重要であるといえる。