ニュース&イベント

IPニュース

機能的に表現された請求項の実施可能性(Enablement)の判断基準
米国特許弁護士 田周憲

I. 序論

わずか56年前には請求項権利範囲機能的表現により記載され、多少記載された場合にもけることがしくなかった。しかし、最近特許審査をみると、具体的構造的限定なしに機能的にのみ表現された場合には、明細書十分記載がない以上当業者実施可能ではないとの理由により拒絶される可能性いため、特許登けることが非常になった。最近国連邦法院ENZO LIFE SCIENCES, INC. V. ROCHE MOLECULAR SYSTEMS, INC.判決もまた、機能的表現された請求項である場合十分実施例記載することを要求している。

II. 背景

David Ward博士研究ムは、ヌクレオチドの塩基(base)位置にリンカ(Linker)じてポリヌクレオチドに標識(Label)付着することによって非放射性プロ(non-radioactive probe)することに成功した。Ward博士はヌクレオチドの特定位置(いわゆる「Ward Positions)標識付着してもポリヌクレオチドが混成化(hybridization)能力わずに、混成化された状態検出可能であることを立証した。そのEnzo Life Sciences, Inc.(以下、「Enzo」という。)は、Ward博士発明する独占権け、ヌクレオチドの追加位置非放射性標識をすることと関連した特許出願提出して核酸混成化、および非放射性標識ポリヌクレオチドの検出用途としての使用する6,992,180(以下、「180特許」という。)け、その代表請求項以下のとおりである。

1. An oligo- or polynucleotide which is complementary to a nucleic acid of interest or a portion thereof, said oligo- or polynucleotide comprising at least one modified nucleotide or modified nucleotide analog having the formula

Sig-PM-SM-BASE

wherein PM is a phosphate moiety, SM is a furanosyl moiety and BASE is a base moiety comprising a pyrimidine, a pyrimidine analog, a purine, a purine analog, a deazapurine or a deazapurine analog wherein said analog can be attached to or coupled to or incorporated into DNA or RNA wherein said analog does not substantially interfere with double helix formation or nucleic acid hybridization, said PM being attached to SM, said BASE being attached to SM, and said Sig being covalently attached to PM directly or through a non-nucleotidyl chemical linkage, and wherein said Sig comprises a non-polypeptide, non-nucleotidyl, non-radioactive label moiety which can be directly or indirectly detected when attached to PM or when said modified nucleotide is incorporated into said oligo- or polynucleotide or when said oligo- or polynucleotide is hybridized to said complementary nucleic acid of interest or a portion thereof, and wherein Sig comprises biotin, iminobiotin, an electron dense component, a magnetic component, a metal-containing component, a fluorescent component, a chemiluminescent component, a chromogenic component, a hapten or a combination of any of the foregoing.

20121Enzoは、Roche Molecular Systems, Inc.Roche Diagnostics Corp.Roche Diagnostics Operations, Inc.、およびRoche Nimblegen, Inc.(総称して「Roche)して180特許侵害主張する訴訟提起した。しかし、デラウェア州地方法院は、180特許実施可能性(Enablement)欠如してであると略式判決(Summary Judgement)し、Enzo地方法院判決して国連邦巡回控訴法院控訴した。

180特許請求特定配列のポリヌクレオチドに限定されない。また、特許請求標識付着するための特定学反応またはリンカ、ポリヌクレオチドに付着させる標識またはその標識付着させるポリヌクレオチドの位置明示していない。そのわりに、上記特許請求はポリヌクレオチドが混成化可能であり、混成化時検出可能以上、リン結合された標識するてのポリヌクレオチドを包括するとされるように「機能的」に表現されている。

まず、連邦巡回控訴法院(以下、「法院」という。)は、上記のように機能的表現された請求項は、明細書内容考慮してに「標識すること」の実施可否ではなく、「混成化可能であり、検出可能であるように標識されたプロブの製造」の実施可否しなければならないことを強調した。それとに、法院明細書内容に、当業者特許請求まれる包括的標識として付着されたポリヌクレオチドを方法開示されていると仮定しても、この如何なるわせが「混成化可能であり、検出可能なポリヌクレオチド」であるのかを当業者明確ることができるかかがその実施可能性有無する重要断基準であるとみなした。

請求項記載された機能的表現である「混成化可能であり、検出可能」と関連して、法院Wyeth and Cordis Corp. v. Abbott Laboratories, 720 F.3d 1380 (Fed. Cir. 2013)判決いて本事件した。Wyeth判例は、本事件のように機能的表現された請求項実施可能性有無するには、請求まれ候補物質、およびこれを合成した各化合物をテストして所望する機能があるのかを確認することが当業者実施可能程度明細書十分記載があるのかを考察しなければならないと明示した。それとに、法院本事件(180特許)請求は、特定機能要求しているが、明細書記載内容および程度からみると、実施可能でないとした。

具体的に、法院180特許請求項第1は、標識がヌクレオチドリン酸部分結合されたといういてはポリヌクレオチドの構造制限けておらず、非放射性標識種類しても限定していないとめている。法院は、発明当時当該技術分野予測不可能性考慮すると、標識混成化妨害なくWard Position付着可能かにして当業者深刻いをつと結論し、また、明細書標識されたポリヌクレオチドがプロブとして機能するということを記載しているにぎず、それが実際にプロブとし機能するのかにする記載不十分であるとした。

これにし、Enzoは、明細書実施例5混成化可能であり、検出可能内部リン酸標識ポリヌクレオチドが実施可能であると主張した。しかし、出願審査中Enzoは、実施例5理論的にのみ可能であることをめており、またEnzo社側専門家証人(Expert Witness)は、Enzo混成化可能であり、検出可能内部リン酸標識ポリヌクレオチドを実際にテストしたかかは確信できないと証言した。法院実施例5を「実際的な」であるとめたとしても、本技術分野予測不可能性考慮すると、特許請求十分裏付ける記載とみなすことができないと指摘した。結論として、法院は、依然として過度実験必要であると結論した。

III. むすび

Enzo事件は、予測可能性技術分野発明であるにもらず、構造的限定なしに機能的広範囲表現されている場合請求された発明構造的特により特定されておらず、その広範囲機能的特明細書十分説明されていないことから、実施可能性否定されたまたつのである。このように機能的表現された請求項実施可能性められるためには、請求された発明共通的する構造的特、および上記構造的特請求項記載された機能との関関係、およびこれを確認できる手段明細書十分かつ詳細説明/立証されていることが要求されるといえる。このために、出願時明細書構造的特機能との関関係立証できる実施例をできる記載する必要があるとわれる。